第23次の採択結果が公表されました(2026年8月7日)

2026年8月7日、ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)の第23次締切分の採択結果が公表されました。応募1,275件に対して採択448件、採択率は約35.1%です。

第23次は、現行のものづくり補助金として最後の公募回でした。第24次はありません。新規の申請機会は、新事業進出補助金と統合した新制度「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」の第1回(2026年10月30日18:00締切)に引き継がれます。

この記事では、23次の数字を単なる「今回の採択率」としてではなく、次に申請する制度をどう戦うかの材料として読み解きます。結論から言うと、23次の結果には「応募が減っても通りやすくはならない」という、これから申請する方にとって重要な事実が表れています。

この記事で分かること
・第23次の採択結果(応募数・採択数・採択率・枠別内訳)
・応募が2回連続で減ったのに、採択率が上がらなかった理由
・第22次の37.5%は例外だったと考えるべき根拠
・グローバル枠が7.5ポイント厳しかったという事実
・統合新制度 第1回(10月30日締切)に向けた3つの教訓と逆算スケジュール

第23次 採択結果の概要

項目 第23次締切分
応募締切 2026年5月8日
採択発表 2026年8月7日
応募件数 1,275件
採択件数 448件
採択率 約35.1%
不採択件数 827件

前回の第22次(採択率37.5%)からは2.4ポイントの低下です。応募が1,552件から1,275件へと約17.8%減ったにもかかわらず、採択率は上がるどころか下がりました。採択件数のほうが582件から448件へと約23.0%減と、応募の減少幅を上回って絞られたためです。

申請枠別の内訳

申請枠 応募件数 採択件数 採択率
製品・サービス高付加価値化枠 1,169件 418件 約35.8%
グローバル枠 106件 30件 約28.3%
合計 1,275件 448件 約35.1%

枠別で見ると、グローバル枠の採択率が28.3%と、高付加価値化枠より7.5ポイント低い結果でした。応募母数が106件と小さいため単年の振れ幅はありますが、後述するとおり、この差はこれから申請する方にとって無視できない情報です。

採択率の推移:第19次〜第23次

公募回 応募数 採択数 採択率 発表時期
第19次 5,336件 1,698件 約31.8% 2025年7月
第20次 2,453件 825件 約33.6% 2025年10月
第21次 1,872件 638件 約34.1% 2026年1月
第22次 1,552件 582件 37.5% 2026年4月
第23次 1,275件 448件 約35.1% 2026年8月

直近5回の採択率は31.8% → 33.6% → 34.1% → 37.5% → 35.1%。5回の平均は約34.4%で、おおむね30%台半ばのレンジに収まっています

【分析1】応募が4分の1に減ったのに、採択率はほとんど動かなかった

この5回でいちばん目を引くのは、採択率ではなく母数の縮小スピードです。

わずか4回で応募は4分の1近くまで減りました。ところが採択数もほぼ同じ割合で縮んでいます。その結果、割り算である採択率は31.8%から35.1%へ、3.3ポイントしか動いていません

ここから読み取れるのは、「ライバルが減れば自分が通りやすくなる」という発想がこの補助金では成り立っていないということです。応募が減れば、採択数もそれに合わせて絞られます。競争率が下がって椅子が空くのではなく、椅子の数も一緒に減っているとイメージすると実態に近くなります。

実務的な意味はシンプルです。「今回は応募が少なそうだから出してみよう」という判断は、採択可能性をほとんど押し上げません。通るかどうかを決めるのは、応募者数ではなく計画書そのものの評価です。

【分析2】第22次の37.5%は「例外」と見るのが妥当

第22次の採択率37.5%は、直近5回で唯一37%台に乗った回でした。当時は「採択率が上昇傾向に入った」という見方もありましたが、第23次で35.1%に戻ったことで、37.5%のほうが振れ幅の上振れだった可能性が高くなりました

第23次は現行制度の最終回です。「ラストチャンスだから駆け込みが増え、逆に採択も緩むのでは」という予想もありましたが、実際には応募が17.8%減り、採択数はそれ以上に絞られました。すでに統合新制度に照準を移していた事業者が一定数いたこと、そして最終回だからといって審査が甘くなるわけではないことの、両方を示す結果と考えられます。

採択率35.1%が実務上どういう意味か
・応募1,275件のうち827件が不採択。落ちるほうが多数派です
・おおまかに言えば、応募者の上位35%に入らなければ通らない水準
・「大きな欠点がない計画」では足りず、加点と説得力で他社を上回る必要がある
・逆に言えば、3社に1社は通る。準備した事業者にとっては十分に射程内の数字です

【分析3】グローバル枠は7.5ポイント厳しかった

第23次の枠別採択率は、高付加価値化枠35.8%に対しグローバル枠28.3%。同じ制度の中で7.5ポイントの差がつきました。

グローバル枠が厳しくなりやすい理由は、審査で説明しなければならない項目が単純に多いことにあります。国内向けの設備投資であれば「設備 → 生産性向上 → 売上」で説明が完結しますが、海外展開が絡むと次のような論点が追加されます。

どれも「書けば埋まる」項目ではなく、事前の調査と交渉の実態がないと具体的に書けません。準備期間が足りないまま出すと、他の項目が良くてもここで差がつきます。

この点が重要なのは、統合新制度にもグローバル枠が設けられているからです。海外展開を軸に申請を考えている方は、国内向けの申請よりも1か月ほど前倒しで準備を始めるくらいの想定を持っておくことをおすすめします。

統合新制度 第1回に向けた3つの教訓

教訓1:統合しても「35%前後」が基準線になる可能性が高い

統合前の2制度の直近採択率を並べると、実は水準がよく揃っています。

制度・公募回 応募 採択 採択率
ものづくり補助金 第22次 1,552件 582件 37.5%
ものづくり補助金 第23次 1,275件 448件 約35.1%
新事業進出補助金 第1回 3,006件 1,118件 約37.2%
新事業進出補助金 第2回 2,350件 832件 約35.4%
新事業進出補助金 第3回 1,212件 423件 約34.9%

統合される2つの制度が、そろって35%前後に着地しています。しかも新事業進出補助金でも、応募が3,006件 → 2,350件 → 1,212件と回を追うごとに減りながら、採択率は37.2% → 35.4% → 34.9%とほとんど動いていません。2つの制度で同じ現象が起きているのが重要な点です。統合新制度 第1回の採択率はまだ誰にも分かりませんが、「35%前後を基準に、そこから上か下か」で構えておくのが現実的です。少なくとも「統合されたから通りやすくなる」と期待できる材料は、現時点の数字からは見当たりません。

教訓2:初回は「様子見組」と「駆け込み組」がぶつかる

統合新制度 第1回には、これまで別々の制度に応募していた層が合流します。一方で、制度が変わった直後の初回公募は、要領を読み込む時間が足りず様子見に回る事業者も出ます。応募数がどちらに振れるかは読めません。

ただし【分析1】で見たとおり、応募数が読めても採択率の予測にはあまり使えません。応募が増えても減っても、採択数はそれに応じて動きます。「今回は応募が少なそうだから」という理由で準備を軽くするのが、いちばん危険な判断です。

教訓3:締切まで約2か月半。加点要件の準備がボトルネックになる

統合新制度 第1回のスケジュールは、申請受付開始:2026年9月30日(水)/応募締切:2026年10月30日(金)18:00(厳守)です。この記事の公開時点(2026年8月10日)から締切まで、約2か月半しかありません。

事業計画そのものは1〜2か月で形にできますが、加点につながる外部の認定・宣言は、申請直前では間に合わないものが多くあります。たとえば経営革新計画の認定は、申請から認定まで数か月かかることも珍しくありません。いま着手して間に合うかどうかが、9月・10月の選択肢を決めます。

統合新制度 第1回に向けた逆算スケジュール

時期 やること
2026年8月中 申請枠(革新的新製品・サービス枠/新事業進出枠/グローバル枠)の選定、事業テーマの確定、導入設備の目星付け、加点要件の棚卸しと着手、GビズIDプライムの取得確認
2026年9月上旬〜中旬 設備の相見積もり取得、事業計画の骨子作成、売上・生産性の数値根拠を固める
2026年9月30日 申請受付開始。電子申請システムへの入力を開始
2026年10月上旬〜中旬 計画書の完成・第三者による読み込みと推敲、添付書類の最終確認
2026年10月30日 18:00 応募締切(厳守)。締切直前はシステムが混雑するため、前日までの提出完了を推奨
2027年1月頃 採択発表(予定)

GビズIDプライムを未取得の方は、最優先で手続きを始めてください。取得に時間がかかる場合があり、これが無いとそもそも電子申請ができません(→ GビズIDプライムの取得方法と注意点)。申請枠の選び方は 統合新制度の枠の選び方、要件の詳細は 統合新制度の申請要件 でそれぞれ解説しています。

第23次で不採択だった方へ

第23次で不採択となった827件のうち、多くの事業者にとって次の申請先は統合新制度 第1回(2026年10月30日18:00締切)になります。現行のものづくり補助金には第24次がないため、「次回のものづくり補助金を待つ」という選択肢は存在しません。

再挑戦にあたって最も重要なのは、前回の計画書をそのまま出し直さないことです。制度が変わり、申請枠の構成も評価の切り口も変わります。不採択理由に心当たりがある場合はもちろん、心当たりがない場合こそ、第三者の目で計画書を読み直すことをおすすめします。不採択からの立て直しについては 補助金に落ちたら?不採択からの再申請で通すための見直し方 でも詳しく解説しています。

スケジュールをまとめて確認したい方へ
主要6補助金の締切日・採択発表日・判明している採択率は、補助金スケジュール一覧に最新の状態でまとめています。第23次の結果も反映済みです。

ミライズなら、全国どこからでもオンラインで相談できます

株式会社ミライズは、補助金申請に特化した中小企業診断士事務所です。累計補助金額23億円超・支援50件超の実績があり、採択率は70%を超えています

「第23次で落ちたので新制度で再挑戦したい」「10月30日の締切に間に合うか見てほしい」——そんなご相談だけでも歓迎です。初回相談は完全無料、全国どこからでもオンラインでお話できます。

まとめ

関連コラム

※本記事の採択件数・応募件数は、ものづくり補助事業公式ホームページで公表された第23次締切分の採択結果(2026年8月7日公表)および過去回の公表値に基づいています。採択率は公表された応募件数・採択件数から当社が算出した値です。統合新制度のスケジュールは公募要領1.1版(2026年7月17日変更)に基づく2026年8月10日時点の情報であり、今後変更される場合があります。申請前には必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。