採択計画書には、共通する「型」がある
ものづくり補助金の採択率は37.5%(第22次)。3社のうち1社強しか通らない厳しい審査です。一方で、採択された計画書を分析すると、共通する「型」と「必須要素」が見えてきます。
この記事では、当社の採択支援実績から見えた、採択計画書に必ず入っている5つの必須要素を、審査員の視点から解説します。
・審査員が見ている評価ポイント
・採択計画に必ず入っている5つの要素
・各要素の書き方の具体例
・自社の計画書をセルフチェックする方法
審査員が見ているのは「実現可能性」と「公益性」
審査員は、計画書を「面白そうか」ではなく「税金を投じる価値があるか」という目で見ます。具体的には次の2点です。
- 実現可能性:書かれた取組みが本当に達成できそうか
- 公益性:補助金を出すことで、社会・地域・業界にどれだけ波及効果があるか
この2点を意識せずに「自社のやりたいこと」だけを書くと、いくら情熱的でも落ちます。
採択計画書に入っている5つの必須要素
要素1:誰の・何の課題を解決するのか
計画書の冒頭で「ターゲット顧客の具体像」と「その顧客が抱える課題」を明確に書きます。「中小製造業のうち、従業員30名以下、特に金属加工を主とする企業」のように、業種・規模・地域・ニーズで絞り込んで書きます。
NGなのは「中小企業全般の課題を解決」「業界全体に貢献」のような曖昧な書き方です。顧客像が具体的なほど、計画の現実感が増します。
要素2:課題に対する解決策(=新製品・新サービス)の革新性
解決策の革新性を、「現状」と「導入後」の比較で書きます。たとえば「現状は人手で1日100個しか処理できないが、新設備により1日500個処理できる」のような形です。
革新性は「業界初」のような大袈裟な表現ではなく、顧客にとって何が変わるかを中心に書きます。
要素3:実現体制(=誰がやるのか)
「うちの会社にこれを実現する力があります」を示すのが体制の説明です。具体的には次の項目を書きます。
- 役員・主要メンバーの経歴と本事業での役割
- 外部パートナー(仕入先・販売先・専門家)との関係
- すでに保有する設備・知財・ノウハウ
「これまでの実績の延長線上に、本事業が位置づけられている」ことを示せると説得力が出ます。
要素4:定量計画(売上・生産性・賃上げ)
3〜5年の売上計画、付加価値額の推移、給与支給総額の推移を具体的な数字で示します。重要なのは、数字の根拠です。
- 1顧客あたり単価×想定顧客数=売上
- 稼働日数×1日あたり生産個数×粗利率=付加価値額
- 従業員数×給与×伸び率=給与支給総額
計算式が見える形にしておくことで、審査員が安心できます。
要素5:リスク認識と対策
事業に絶対の成功はありません。「うまくいかなかった場合の対策」を書くことで、計画の現実性が増します。
- 市場想定が外れた場合の代替販路
- 技術課題が発生した場合の体制
- 資金繰りが悪化した場合の融資枠
「うまくいくはず」だけ書く計画書は、むしろ評価が下がります。
セルフチェックリスト
書き終えた計画書を、次の項目で自分でチェックしてみてください。
- ターゲット顧客が「どんな会社の、どんな部署の、どんな悩み」レベルで書けているか
- 新製品・新サービスの内容が、現状との数字比較で書けているか
- 「業界初」「画期的」のような曖昧表現を使っていないか
- 3〜5年の売上計画に計算式が添えてあるか
- 賃上げ計画が具体的な金額・時期で書かれているか
- リスクへの対応策が書いてあるか
- 採点基準(公募要領別表)の項目を全部カバーしているか
このうち1つでも「No」がある場合、改善の余地があります。
自分が書いた文章は、自分には読みやすく感じるものです。第三者(できれば補助金専門家)に読んでもらうことで、独りよがりな表現や論理の飛躍に気づけます。これが採択率を大きく左右します。
ミライズの計画書添削サービス
株式会社ミライズでは、計画書の骨子作りから完成まで一気通貫で伴走します。「いきなり全部丸投げ」も、「自分で書いた計画書を添削してほしい」もOKです。
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計画書をどう書き始めるか分からない方も、書き上げたものを見てほしい方も、お気軽にご相談ください。
まとめ
- 採択計画書には「課題・解決策・体制・定量計画・リスク」の5要素が必須
- 審査員は「実現可能性」と「公益性」で見る
- NGなのは曖昧表現・根拠なき数字・リスク無視
- 1人で書かず、必ず第三者の目を通す