採択率は3年でこう変わった

ものづくり補助金は、毎回の公募で採択率が公表されます。直近の第19次〜第22次の採択率は31.8% → 33.6% → 34.1% → 37.5%と推移しており、長く厳しい審査が続いています。

「補助金は出せば通る」というイメージは、もはや過去のものです。一方で、データを丁寧に読むと「どんな企業が通っているのか」「なぜ通ったのか」のヒントが見えてきます。この記事では、採択率の推移とその意味を読み解きます。

この記事で分かること
・19次〜22次の採択率推移と数字の読み方
・採択率に影響している4つの要因
・「平均値」では通らない時代の戦略
・2026年度の傾向と次回公募で勝つ準備

採択率の推移データ

公募回 応募者数 採択者数 採択率 採択発表時期
第19次 31.8% 2025年7月
第20次 2,453者 825者 33.6% 2025年10月
第21次 1,872者 638者 34.1% 2026年1月
第22次 1,552者 582者 37.5% 2026年4月

応募数は減少傾向、採択率はゆるやかに上昇傾向にあります。これは、応募する事業者が「準備不足では出せない」と判断し始めた結果と言えます。

採択率を動かす4つの要因

要因1:予算と採択枠の関係

そもそもものづくり補助金は「応募の何%を通す」ではなく、用意された予算枠の範囲で採点上位から採択する仕組みです。応募が増えても採択数の上限はそれほど変わらないため、応募が増えれば採択率は下がり、応募が減れば採択率は上がります。

要因2:申請要件の厳格化

近年、必須要件として賃上げ計画、付加価値額の年率3%以上の向上、給与支給総額の年率1.5%以上の向上などが課されています。これらをクリアできない事業者は、そもそも申請できません。

要因3:加点項目の充実

パートナーシップ構築宣言、経営革新計画、健康経営優良法人、最低賃金近傍の賃上げ特例など、加点項目が増えるほど「準備済みの応募者」が有利になります。準備の差がそのまま採点の差になる構造です。

要因4:審査員の質も底上げ

不採択事例の蓄積、審査ノウハウの共有により、審査員の評価軸も年々精緻になっています。表面的な「革新性アピール」では通らず、根拠と実行可能性を見られる方向に動いています。

「平均値」では通らない時代

採択率37.5%という数字は、応募者を100点満点で評価すると、おおむね62点以下が落ちるイメージです。逆に言えば「62点以下にしない」ための準備が重要、ということになります。

NGパターン1:他社を参考にしすぎた計画書

採択事例集や雛形を真似ると、表面的にはそれっぽい計画書になりますが、「自社らしさ」が抜け落ちることが多くあります。審査員は同じパターンの文章を何百枚も読んでいるため、定型文は逆効果になります。

NGパターン2:盛りすぎた売上計画

3年で売上3倍、5年で10倍など、根拠なき野心的な数字はむしろ実行可能性を疑われます。市場規模・自社シェア・競合分析・販売チャネルの裏付けがある計画が高評価です。

NGパターン3:技術自慢だけの計画書

自社の技術がいかに優れているかを語っても、「それで何が起こるのか」「誰が困っているのか」が書かれていなければ評価されません。顧客視点での価値が問われます。

2026年度の傾向と勝ち筋

傾向1:制度統合の影響

2026年度はものづくり補助金と新事業進出補助金が統合され、「新事業進出・ものづくり補助金」として再編予定です。これに伴い、申請枠の整理や経費区分の見直しが行われます。

傾向2:賃上げ特例の活用

最低賃金近傍の賃上げを実施する事業者には、補助率や上限額の優遇があります。該当する場合は迷わず特例を使うことで、有利な条件で申請できます。

傾向3:グローバル枠の拡充

新制度ではグローバル枠の補助上限が大幅拡充される見込みです。海外展開を考えている事業者にとっては過去最大のチャンスになります。

次回公募で勝つために今やるべき5つのこと

1. 加点要件の取得を急ぐ

パートナーシップ構築宣言(即日可)、経営革新計画(2〜3ヶ月)など、取得まで時間のかかる加点項目から先に着手しましょう。

2. 売上3年計画の根拠を固める

市場規模調査、競合分析、自社の強みの言語化を、申請書を書き始める前に終わらせておくことが重要です。

3. 設備の見積もりを複数取る

原則として相見積もりが必要です。3社以上から見積もりを取り、価格と仕様を比較した記録を残しておきます。

4. 賃上げ計画を経営層と共有

採択後3〜5年は賃上げ計画を実行する義務があります。役員・経理・総務との合意形成を申請前に済ませておきましょう。

5. 早めに専門家に計画を見せる

採択された計画書は、第三者の目を通して何度もブラッシュアップされています。自分だけで書き上げて出すのは、採択率を大きく下げる行為です。

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まとめ