新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の第2回公募が2026年11月2日に始まりました。「第1回と同じ準備でよいのか」を確かめるため、第1回の公募要領(最後の版である1.3版)と第2回の公募要領(1.0版)を全文で見比べました。
3つの枠、補助上限額、補助率、基本要件は変わっていません。一方で、建物に付随する構築物が建物費の対象から外れるなど、経費の組み立てに響く変更が入っています。締切の時刻も18:00から15:00に早まっています。
・第2回の日程(第1回との比較)
・第1回から変わった点と、準備への影響
・変わっていない点
・第1回に応募した方が気をつけたいこと
第2回の日程
| 項目 | 第1回 | 第2回 |
|---|---|---|
| 公募開始 | 2026年6月29日(月) | 2026年11月2日(月)16:00 |
| 申請受付 | 2026年9月30日(水) | 2026年11月30日(月)15:00 |
| 申請締切 | 2026年10月30日(金)18:00 | 2026年12月25日(金)15:00 |
| 採択発表 | 2027年1月頃(予定) | 2027年3月頃(予定) |
※ 公募要領(第1回・第2回とも p.37)によります。第2回の採択発表は、公式サイトの日程表では「令和9年3月下旬」と書かれています(2026年11月6日時点)。
公募開始から締切までは、第1回の約4か月に対して、第2回は約8週間です。申請を受け付ける期間も、第1回の30日に対して第2回は25日です。締切の時刻が15:00に早まっているので、第1回の感覚で夕方に出そうとすると間に合いません。公募要領も、電子申請の入力には一般に数時間かかり、締切間際は混み合うとしています(第2回 p.37)。
第1回から変わった点の早見表
| 変わった点 | 第1回 | 第2回 |
|---|---|---|
| ① 建物費 | 建物に付随する構築物の建設費も対象(条件つき) | 対象から外れた |
| ② 原材料費 | 試作品の開発に必要な原材料など | 補助事業で取得する設備を用いて試作を行う際に必要な原材料など |
| ③ 外注費の対象外 | 外部に販売・レンタルする量産品の加工の外注 | 量産品の製造・加工の外注 |
| ④ 添付書類 | 増資・減資の証明書は記載なし。賃金台帳の説明文は「全従業員」の記載が一部だけ | 増資・減資をした場合の履歴事項全部証明書が必要に。賃金台帳は説明文でも全従業員分と明記 |
| ⑤ 対象外の事業者 | 従業員数が0名の事業者 | 常勤従業員数が0名の事業者 |
| ⑥ 審査と計画書 | 経費が合理的な「額」か/作成のポイントを公募要領に掲載 | 経費が合理的な「もの」か/作成のポイントは別紙を参照 |
| ⑦ 減点 | 過去のものづくり補助金 | 令和元年度補正予算以降の事業に限る |
| ⑧ 担保・保険など | 補助事業に必要な資金調達なら担保を設定できる場合がある | 単価50万円以上の設備を買うための資金調達に限定など |
変更① 建物に付随する構築物が、建物費の対象から外れた
建物費を使う方(新事業進出枠・グローバル枠)には、いちばん大きな変更です。
| 第1回(p.28) | 第2回(p.28) | |
|---|---|---|
| 建物費の対象 | ① 建物の建設・改修 ② 建物の撤去 ③ 建物に付随する構築物の建設 | ① 建物の建設・改修 ② 建物の撤去 |
| 補助対象外の経費(p.32) | 構築物の購入費(建物費に付随する構築物は除く) | 構築物の購入費 |
第1回では、建設・改修する建物に付随して一体的に使うもので、その建物より耐用年数が短いものに限り、構築物も対象でした。第2回の公募要領では、この項目と説明がなくなっています。
構築物は、税法の耐用年数の省令にある区分です。旧制度の事例では、駐車場やアプローチのコンクリート、ブロック積み、フェンスなどの外構工事が、事務局から構築物に当たるとされました(交付申請で対象外になった経費の実例)。
準備への影響(当社の見方)
- 外構工事は建物本体と分けて見積もってもらう:工事の見積りに一式で入っていると、あとで切り分けが必要になります。
- 資金計画に自己負担分として入れる:外構などが必要な計画は、補助の対象にならない前提で資金を見ておきます。
- 第1回用の経費表を使い回さない:構築物を建物費に入れていないかを確かめます。
- 判断に迷う工事は事務局へ確かめる:対象になるかは、交付申請の審査や実績報告のときに判断されます(第2回 p.27)。
変更② 原材料費は「取得する設備で試作するとき」と書かれた
原材料費の説明が、次のように変わりました(第2回 p.30)。
- 第1回:試作品の開発に必要な原材料及び副資材の購入に要する経費
- 第2回:補助事業において取得する設備を用いて試作を行う際に必要な、原材料及び副資材の購入に要する経費
補助事業で買う設備を使わない試作の材料は、対象にならないと読めます(当社の読み方です)。今ある設備や外部の工場で試作する計画なら、原材料費に入れてよいかを事務局へ確かめてください。
変更③ 量産品は「製造」の外注も対象外と書かれた
外注費で対象外となる経費が、「外部に販売・レンタルするための量産品の加工の外注」から「量産品の製造・加工の外注」に変わりました(第2回 p.29)。販売する量産品の製造を外に頼む費用は、外注費に入れられないとはっきりしました。あわせて、運搬費の説明にも「補助事業遂行のために必要な」という言葉が加わっています(第2回 p.28)。
変更④ 添付書類が増えた・はっきりした
- 決算書:直近の決算期より後に増資・減資をした法人は、履歴事項全部証明書(公募開始日から3か月以内、もしくは増資・減資実施日のいずれか早い日付のもの)が必要です(第2回 p.39)。
- 地域別最低賃金の特例・加点:要件を満たす3か月分の賃金台帳は、説明文にも全従業員分と書かれました(第2回 p.40)。第1回でも、提出書類の一覧には「全従業員の台帳」とあったので、提出するものが増えたわけではありません(第1回 p.41)。
- 事業場内最低賃金の加点:2025年7月と応募申請の直近月の賃金台帳について、「対象従業員の賃金台帳と全従業員の賃金台帳」という書き方が、「事業場内の全従業員の賃金台帳」に整理されました(第2回 p.40)。
変更⑤ 対象外になるのは「常勤従業員」が0名の事業者
対象外となる事業者の書き方が、「応募申請時点で従業員数が0名」から「応募申請時点で常勤従業員数が0名」に変わりました(第2回 p.22)。
公募要領の「常勤従業員」は、中小企業基本法の「常時使用する従業員」のことで、日々雇い入れられる人、2か月以内の期間を定めて使用される人、季節的業務に4か月以内の期間を定めて使用される人、試みの使用期間中の人は含まれません(第2回 p.17〜18)。短期の雇用だけで事業をしている会社は、応募の前に確かめてください。
変更⑥ 審査の言葉と、計画書の参考資料
書面審査の項目で、「事業経費や補助対象経費が事業目的の達成のために真に必要かつ合理的な額か」が、「合理的なものか」に変わりました(第2回 p.44)。「額」に限らない書き方になったので、金額の根拠に加えて、その経費を計上する理由も説明できるようにしておきます(当社の見方です)。
第1回の公募要領には「事業計画書作成のポイント」の箇条書きがありましたが、第2回ではなくなり、別紙「経営戦略に基づく補助事業計画の考え方」を参考にする形になりました(第2回 p.43)。この別紙は、第1回版と第2回版で、日付以外は同じ内容です。審査の項目は、この言葉の変更と、変更⑦の減点の範囲のほかは変わっていません。第1回のポイントにあった、枠ごとの書き方(新事業進出枠なら、過去に製造等した実績がないことや、既存事業と顧客層が異なることを示す、など)は、第2回でも準備の目安になります(当社の見方です)。
変更⑦ 減点の対象になる「過去のものづくり補助金」の範囲
過去の補助事業の事業化が進んでいない事業者への減点で、対象の補助金のうち、ものづくり補助金は「令和元年度補正予算以降の事業に限る」と書かれました(第2回 p.49)。それより前のものづくり補助金は、この減点の対象に入りません。
変更⑧ 担保・財産処分・保険の決まり
- 担保の設定:補助で取得した建物などに担保を設定できるのは、第1回では「補助事業遂行のための必要な資金調達」の場合でした。第2回では「当該申請に係る処分制限財産(取得価格又は効用の増加額が単価50万円(税抜き)以上の設備)を購入するために必要な資金調達」の場合に限ると書かれました(第2回 p.58)。事前に事務局の承認が必要なのは同じです。金融機関と融資の相談をしている方は、早めに確かめてください。
- 財産処分:第1回にあった「事業計画期間中の、補助対象外となる事業者や大企業への事業承継も、目的に反する使用に当たる」という趣旨の文がなくなりました(第2回 p.57)。文がなくなったからといって自由にできるとは読まず、事業承継を考えるときは事前に事務局へ確かめることをおすすめします(当社の見方です)。
- 保険・共済:補助率以上の付保割合を満たす保険などへの加入義務に、「原則」という言葉が入りました(第2回 p.56)。
- 賃上げ特例:使えない場合の説明が「補助上限額に達しない場合」から「補助金申請額が補助上限額に達しない場合」となり、はっきりしました(第2回 p.15)。
変わっていないこと
| 項目 | 第1回・第2回 共通 |
|---|---|
| 申請枠 | 革新的新製品・サービス枠/新事業進出枠/グローバル枠(第2回 p.6) |
| 補助上限額 | 従業員数に応じて、革新的新製品・サービス枠は750万〜2,500万円(賃上げ特例で最大3,500万円)。新事業進出枠とグローバル枠は2,500万〜7,000万円(賃上げ特例で最大9,000万円) |
| 補助率 | 革新的新製品・サービス枠は中小企業1/2(地域別最低賃金引上げ特例で2/3)、小規模企業者・小規模事業者と再生事業者2/3。新事業進出枠は1/2(地域別最低賃金引上げ特例で2/3)。グローバル枠は2/3 |
| 事業実施期間 | 革新的新製品・サービス枠は交付決定日から10か月以内(採択発表日から12か月以内)。新事業進出枠とグローバル枠は14か月以内(16か月以内) |
| 応募の回数 | 1回の公募につき1申請で、いずれか1つの枠のみ(第2回 p.10、公式サイトのよくあるご質問 Q67) |
基本要件(付加価値額・賃上げ・事業場内最低賃金など)の数字も同じです。くわしくは6つの基本要件のコラムをご覧ください。
第1回に応募した方が気をつけたいこと
第1回の採択発表は2027年1月頃(予定)、第2回の締切は2026年12月25日です。日程どおりなら、第1回の結果が分からないまま第2回の締切を迎えます。
- 不採択だった場合:事業計画を見直して、再度申請できます(第2回 p.10、よくあるご質問 Q15)。第3回の日程は、2026年11月6日時点で発表されていません。
- 採択された場合:一定の条件を満たす場合に限り、2回目の申請が可能とされています(第2回 p.10)。ただし、申請締切日を起点に16か月以内に本補助金などで採択された事業者(採択を辞退した事業者を除く)と、申請締切日時点で交付決定を受けて補助事業を実施中の事業者は、補助対象外です(第2回 p.21)。次の回にすぐ出せるとは限らないので、事務局へ確かめてください。
- 結果待ちのまま第2回にも申請できるか:公募要領には、複数の補助金に同時期に応募申請でき、複数に採択されたら交付を受ける補助金を1つだけ選ぶ、とあります(第2回 p.21)。ただ、同じ補助金の第1回と第2回がこれに当たるかは書かれていません。考えている方は、事務局へ確かめてください。現在申請している補助金は、応募申請のときに入力する決まりで、入力がないと虚偽申請として不採択になります(第2回 p.26)。
- 新事業進出枠の「新規性」の基準日:申請する回の公募開始日以降に初めて取り組んでいる事業について、新規性があるものとみなす、とあります(第2回 p.7)。第2回に申請するなら、基準の日は第1回の6月29日から11月2日に動くと読めます(当社の読み方です)。第1回の準備中にすでに始めた事業がある方は、事務局へ確かめてください。
第1回の公募要領は、1.0版(6月29日)から1.3版(9月28日)まで3回改訂されています(第1回 改訂履歴)。第2回は改訂後の内容から始まっているので、6月の版で準備していた方は、加点の追加(技術情報管理認証制度・成長加速マッチングサービス・アトツギ甲子園。1.2版)や、賃上げ要件の説明の補記(1.3版)なども確かめてください。
申請の前に確かめたいこと
- 締切は12月25日(金)の15:00。入力に数時間かかる前提で、余裕を持って申請するか
- 建物費に、構築物(外構工事など)が入っていないか
- 原材料費は、補助事業で取得する設備を使う試作の分だけか
- 外注費に、販売する量産品の製造・加工の外注が入っていないか
- 直近の決算期より後に増資・減資をしたなら、履歴事項全部証明書を用意したか
- 最低賃金の特例や加点を希望するなら、賃金台帳は全従業員分か
- 一般事業主行動計画を公表済みか(公表には1〜2週間ほどかかり、2週間以上の余裕を持って公表申請するよう書かれています。第2回 p.2・p.13)
- 加点の項目は、申請締切日の時点で満たせるか(第2回 p.46)
- 建物などへの担保の設定を考えているなら、新しい条件に当てはまるか
- GビズIDプライムの準備はできているか
応募申請ガイド、電子申請システム操作マニュアル、応募申請画面のインポート用フォーマット、最低賃金の要件確認書は「順次公開」となっています。公開されたら、第1回の資料ではなく第2回の資料を使ってください。資料ダウンロード(公式サイト)
なお、口頭審査の対象になった場合の日時の予約は、先着順です。早く申請を終えた事業者から案内されるので、締切間際だと選べる日時が限られることがあります(第2回 p.51)。
第2回に向けたご相談
第1回で準備した計画を第2回に合わせて見直したい方や、どの枠が合うか迷っている方は、お気軽にご相談ください。事業計画は申請者自身が作るものです。当社は、計画の考え方や書き方を助言します。枠の選び方は枠の選び方のコラムで解説しています。
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- 補助金スケジュール一覧(締切日・採択発表予定)
※ 本記事は、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の公募要領(第1回 1.3版・第2回 1.0版)、「経営戦略に基づく補助事業計画の考え方」(第1回・第2回)、公式サイトの日程・資料ダウンロード・よくあるご質問のページ(2026年11月6日時点)をもとに書いています。ページ番号は、公募要領の各ページに印刷された番号です。申請の前に、必ず公式サイトで最新の情報をご確認ください。