新事業進出補助金 第3回と第4回の違いを比較 ― 最終回に向けて押さえておきたいポイント
新事業進出補助金の第3回公募が2026年3月26日に締め切られ、翌日の3月27日から第4回公募がスタートしました。第4回は、現行の制度としては最終回となる見込みです。2026年度からは「ものづくり補助金」と統合された新制度に移行する予定のため、今の仕組みで申請できるのはこれが最後のチャンスとなります。
この記事では、第3回と第4回のスケジュールや変更点を比較しながら、統合後の新制度の情報もあわせてお伝えします。「第4回に出すべきか、新制度を待つべきか」の判断材料としてお役立てください。
スケジュール比較 ― 第3回と第4回を一覧で確認
まずは、第3回と第4回のスケジュールを表で比べてみましょう。
| 第3回公募 | 第4回公募 | |
|---|---|---|
| 公募開始 | 令和7年12月23日 | 令和8年3月27日 |
| 申請受付開始 | 令和8年2月17日 | 令和8年5月19日 |
| 締め切り | 令和8年3月26日 18:00 | 令和8年6月19日 18:00 |
| 採択発表 | 令和8年7月上旬頃 | 令和8年9月末頃 |
| 備考 | 口頭審査の強化など変更あり | 現行制度の最終回の見込み |
第4回の締め切りは令和8年6月19日(金)18:00です。公募開始から締め切りまでは約3か月あり、第3回と同程度の準備期間が確保されています。ただし、申請の受付開始は5月19日からとなるため、実際に申請ができるのは約1か月間です。余裕を持った計画を立てることをおすすめします。
第3回で導入された主な変更点のおさらい
第4回の内容を理解するうえで、まず第3回(第2回からの変更)で何が変わったのかを振り返っておきましょう。第3回では、審査の厳格化を中心にいくつかの重要な変更がありました。
口頭審査の対応者が経営者本人に限定
第3回から、口頭審査(オンラインでの面接のようなもの)に対応できるのは経営者ご本人のみに限定されました。外部の専門家やコンサルタントが同席することはできなくなり、もし同席が発覚した場合は不採択となります。
これは、「本当に経営者自身が事業を理解し、推進する意志があるか」を確かめるための措置です。事業計画の内容を自分の言葉で説明できるよう、十分な準備が必要です。
減点の基準がより明確に
第3回では、審査で減点される条件がはっきりと示されました。具体的には、以下のようなケースが減点の対象となります。
- 簡単に作れる新製品 ― 特別な技術や工夫がなく、誰でもすぐに真似できるもの
- 既存の製品を単純に組み合わせただけのもの ― 新規性が乏しいと判断されるケース
- 過去に補助金を受けたが、事業が進んでいないもの ― 以前の補助事業で成果が出ていない場合
これらの基準は、「本当に意味のある新事業への挑戦か」をより厳しく見るためのものです。申請の際は、自社の取り組みがこれらに当てはまらないか、事前に確認しておきましょう。
賃上げ目標の表明時期が変更
賃上げに関する目標の表明(「従業員の給与をこれだけ上げます」という宣言)は、第3回から交付申請の時点までに行えばよいことになりました。以前は申請時に必要でしたが、採択後の手続き段階まで猶予ができた形です。
第3回の変更のポイント:全体として「審査を厳しくし、本当に価値のある事業だけを支援する」という方向性が強まっています。第4回でもこれらの基準はそのまま適用される見込みです。
第4回の注目ポイント ― 最終回としての意味
第4回公募で最も重要なのは、現行の新事業進出補助金としては最後の募集になる可能性が高いという点です。
「駆け込み」で申請が集中する可能性
最終回となれば、「今のうちに申請しておきたい」と考える企業が増えることが予想されます。申請が集中すれば、それだけ競争率が上がる可能性があります。
だからこそ、計画の質がより重要になります。「とりあえず出しておこう」という姿勢ではなく、事業の内容をしっかりと練り上げたうえで申請することが大切です。
第3回の変更点はそのまま継続
第3回で導入された口頭審査の厳格化、減点基準の明確化、賃上げ目標の取り扱いなどは、第4回でも引き続き適用される見込みです。特に口頭審査については、経営者ご自身での対応が必須ですので、早い段階から練習しておくことをおすすめします。
注意:第4回の締め切りは令和8年6月19日(金)18:00です。締め切り直前はシステムが混み合うことがあります。余裕を持って、遅くとも1週間前には申請を完了させましょう。
統合後の新制度はどうなる?
2026年度からは、新事業進出補助金とものづくり補助金が一つにまとまり、「新事業進出・ものづくり補助金」として生まれ変わる予定です。新制度の概要をまとめます。
3つの申請枠が用意される予定
| 申請枠 | 概要 |
|---|---|
| 革新的新製品・サービス枠 | これまでにない新しい製品やサービスを開発する取り組みを支援 |
| 新事業進出枠 | 現在の新事業進出補助金に相当。新しい事業分野への参入を支援 |
| グローバル枠 | 海外市場への展開を目指す取り組みを支援 |
統合後のスケジュール(予定)
- 公募開始:令和8年6月頃
- 申請受付:令和8年8月頃
- 公募回数:年3回程度の見込み
統合後の制度では、年に3回程度の公募が予定されており、チャンスは複数あります。ただし、制度が新しくなる初回は応募が殺到する可能性もあるため、競争環境がどうなるかは注意が必要です。
第4回に申請すべきか、統合後を待つべきか
「第4回に出すか、新制度を待つか」は多くの方が迷うところです。以下の判断基準を参考にしてください。
第4回への申請をおすすめするケース
- すでに事業計画がある程度固まっている ― 準備ができているなら、早く申請した方が有利です
- 投資のタイミングが決まっている ― 設備の導入時期や取引先との約束があるなど、急ぎの事情がある場合
- 現行制度の条件が自社に合っている ― 今の制度で問題なく申請できる内容であれば、わざわざ新制度を待つ必要はありません
- 口頭審査の準備が間に合う ― 経営者ご自身が審査対応できる状態にある場合
統合後の新制度を待つ方がよいケース
- 事業計画がまだ固まっていない ― 準備不足のまま出しても採択は難しいです
- 「革新的新製品・サービス枠」の方が合いそう ― 新制度の別の枠の方が自社に有利な可能性がある場合
- 海外展開を視野に入れている ― グローバル枠は統合後に新設されるため、待つ価値があります
- 急ぎではなく、じっくり準備したい ― 統合後は年3回の公募が予定されているため、時間的な余裕があります
判断のポイント:「準備ができているかどうか」が最も大きな分かれ目です。計画の質が高ければ第4回で申請するのが有利ですし、まだ練り込みが足りないなら無理に急がず、新制度での申請を目指す方が結果につながりやすいです。
まとめ ― 迷ったら早めにご相談ください
新事業進出補助金の第4回は、現行制度として最後の募集となる見込みです。第3回で強化された口頭審査や減点基準はそのまま継続されるため、しっかりとした準備が求められます。
一方、2026年度からは統合後の新制度がスタートし、新たな申請枠も登場します。「今の制度で出すか、新制度を待つか」は、事業計画の準備状況や投資のスケジュールによって最適な選択が変わります。
大切なのは、「出すと決めたら、質の高い計画をしっかり作る」ということです。どちらのタイミングが自社に合っているか迷われている方は、お気軽にご相談ください。事業の状況をお聞きしたうえで、最適な申請時期と進め方をご提案いたします。