中小企業にコンサルティング顧問契約は必要か?

コンサルティング

コンサルティングといってもその内容は多岐に渡ります。

社長の中には、コンサルティングを入れることを嫌う人もいますが、

一方でコンサルを上手に使って、大きく飛躍する企業があることも事実です。

では、本当にコンサルティングは必要なのでしょうか?

今回は、コンサルの上手な使い方や、気を付けるべき点について考えてみたいと思います。

スポット型コンサルと伴走支援型コンサルの違い

コンサルタントをつけるといっても、その内容は様々です。

しかし、大きく分けるとコンサルティングにはスポット型と伴走支援型の2種類があるといえるでしょう。

スポット型コンサルとは?

まず、スポット型コンサルですが、これは社長が自社の課題を明確に認識していて、その解決を手伝ってくれる際に使うコンサルティングです。

やることはある程度明確になっているため、専門家の知識や段取り、プロジェクトマネジメントの要素が大きいタイプのものです。

例えば、M&Aや新店舗の開設、許認可の取得、などがこれにあたるでしょう。

企業規模が大きく、専門の人材を抱えているような企業ではこういったものは社内のプロジェクトとして進めることができますが、規模が小さく適切な人材や人手が足りないなどのケースには、スポット的に応援を頼むことになります。

どちらかというと業務委託的な要素が大きいかもしれません。

ゴールが明確になっている場合にはこのタイプのコンサルだけでよいかもしれませんね。

伴走支援型コンサルとは?

これは、社長自身これから会社をどうしていこうか悩んでいる際に、一緒になりたい姿を考えるところから入るタイプのコンサルティングです。

「課題が明確になった時点でその課題の半分以上は解決している」

というような名言がよくありますが、

実は課題を明確に設定することはなかなか容易にできるものではありません。

課題の設定自体が間違ってしまえば、無駄な労力を費やすことにもなりかねませんし、

そもそも、設定したゴールが、社長自身本当になりたい姿なのか、納得しているのか、

ということも、一人ではなかなか決めけれないのが実際のところです。

社長の多くは先輩や仲間などの独自のコミュニティで相談してこういったことを決めていくことが多いのですが、

そこにある程度第三者的な目線で意見を言ってもらうということは、大事なことです。

そんな時に、社長の相談役として、なりたい姿や、ゴールの設定、課題抽出を一緒になって

考えてくれるタイプのコンサルティングは、有用でしょう。

コンサルをうまく使い分けることが大切

基本的には伴走支援型のコンサルと一緒に、社長のなりたい姿や課題を明確にしていき、

課題が明確になれば適したスポット型コンサルを使って解決していく。

というのがうまい使い方だと思います。

ベースとしては、ゼロベースでなんでも相談できる伴走支援型コンサルをつけておいて、例えば、「節税したい」や「税務的な処理が必要」というときには一緒に最適な税理士さんを探すなど、具体的な対策をとっていくというようなイメージです。

スポット型コンサルだけだと、なかなか社長だけでは最適なコンサルを見つけられなかったり、必要以上のコストを求められたりしてしまうこともありますし、どうしても業務委託っぽい感じになってしまい、一緒になって社長のなりたい姿に向かって走ってくれている感覚は得られないかもしれません。

やはり、信頼できるコンサルと土台の部分から一緒に作っていくことで、一蓮托生感が出てくると、社長としても心強いのではないでしょうか。

伴走支援型コンサルをつける際の注意点

当事務所は、どちらかというと伴走支援型のコンサルティング事務所ですが、伴走支援型コンサルをつける際の注意点を少しご紹介させていただきます。

まともなコンサルは当たり前の事しか言わない

コンサルティングというと何かすごいことをしてくれて、言う通りにしていたらあれよあれよと売り上げが上がって、なんかいい感じになる。

と思っている社長もいらっしゃるかもしれませんが、決してそのようなことはありません。

「これさえ導入すれば売上が〇倍になります。」

というようなコンサルは、大抵何かのサービスを導入させて裏でバックマージンをもらっていることが多いです。

ガッカリされるかもしれませんが、まともなコンサルは、「そんなの分かっているよ」と言うような

当たり前の事しか言いません。

でも、少し考えてみてください。

これも当たり前の事ですが、

大抵のことは、

「目標とそれに向けたマイルストーンとタスクを設定して、決めたことをしっかりやる。そのうえで上手くいかなければやり方を検証して、修正して、またやり直す。」

ことで上手くいきます。

どうですか?「そんなの分かってるよ」というような当たり前の話ですよね。

でもこれって、社長が自分一人でどこまで徹底してできているでしょうか。

実は、この当たり前の事が出来ていないことが非常に多いです。

この当たり前の事を当たり前に実行するために、適度にプレッシャーをかけて、適度にモチベーションをあげるために伴走支援型コンサルを導入すると上手くいくのです。

実行するのは全部社長自身です

スポット型コンサルであれば、業務代行のような要素もあるのですが、

伴走支援型コンサルは、基本的には実行は「全部社長がやる。」です。

もちろん一緒に考えたり、お互いにあーだこーだ言いながらプランを作ったりしますが、

作ったプランを実行するのはあくまでも社長です。

伴走支援型コンサルは、その社長が実行したことをみて、「あーだこーだ口うるさいことを言ってくる人」です。つまりPDCA支援が基本です。

これはダイエットやパーソナルトレーニングのトレーナーに似ているかもしれません。

トレーナーがどれだけ食事制限をしても、依頼者が瘦せることは無いですし、

トレーナーが代わりにどれだけ重たいダンベルを上げたところで、トレーナーの体がバキバキになるだけです。

これでは、意味がありませんね。

なので、まずは「自分がやる」と決意したうえで、「しっかり見ていてください」と依頼するのが伴走支援型コンサルです。

そのことに、お金を出して顧問契約を結ぶかどうかを判断するのはもちろん社長自身ですが、

自分がこれまでダイエットに失敗してきていて、バキバキに絞れた良い身体を手に入れたいのであれば、検討の価値はあるのではないでしょうか。

中小企業の社長にこそ伴走支援型コンサルは必要

大企業の社長であれば、オーナーが株主だったりすることもあり、適度なプレッシャーや成果に対する説明責任が求められます。

しかし、中小企業の多くはオーナー兼経営者であり、自律やフィードバックの必要性という点では大企業の社長よりも大きいように感じます。

その意味では規模の小さな企業ほど、第三社的な視点を取り入れる努力が必要なのではないかと思います。

顧問契約では、年単位の長い期間をもって信頼関係を気づいていくことが大切なので、もちろん相性の良い伴走支援型コンサルを探すことは大切です。

しかし、自分と同じ全く同じ考えのコンサルを探すことはあまりオススメしません。

それでは第三者の目線を取り入れるというメリットが半減してしまいますし、自分の視野を広げることにもつながりません。

コミュニケーションに「嫌な感じがしない」ということは大切ですが、「ちょっと自分とはタイプが違うかも」というコンサルをつけるのも良いのではないでしょうか。

社長という職業柄、ある程度自分と意見の合う仲間たちと過ごしていることが多いと思うので、

せっかくコンサルをつけるのであれば、そこにちょっとしたスパイスを加えるくらいの感覚でも良いかもしれませんね。

最後に少しだけ宣伝ですが、当事務所では伴走支援型コンサルを基本として、社長や個人事業主の方の伴走者をさせていただいております。

もしご興味があればご一読いただけますと幸いです。

ご不明点はお気軽にお問い合わせください。

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