「補助金と助成金、両方使えるの?」という疑問に答えます
「補助金と助成金の違いは分かったけど、両方同時に使えるの?」「どっちを先に申請すればいいの?」——こんな疑問をお持ちの経営者の方は多いのではないでしょうか。
結論から言うと、補助金と助成金は組み合わせて使うことができます。ただし、守るべきルールがあります。
この記事では、併用のルール、使う順番の考え方、そして実際に効果を最大化できる組み合わせパターンを分かりやすくお伝えします。
・補助金と助成金を併用するときの基本ルール
・どちらを先に申請すべきかの判断基準
・具体的な組み合わせパターン3選
・併用時に気をつけるべき注意点
まずおさらい:補助金と助成金の違い
組み合わせを考える前に、それぞれの特徴を確認しておきましょう。
| 項目 | 補助金 | 助成金 |
|---|---|---|
| 審査 | あり(事業計画を審査して合否が決まる) | なし(条件を満たせば受け取れる) |
| 管轄 | 経済産業省・中小企業庁など | 厚生労働省 |
| 主な用途 | 設備投資・新事業・販路開拓 | 雇用・人材育成・働き方改革 |
| 金額の目安 | 数十万円〜数千万円 | 数万円〜数百万円 |
| 申請時期 | 公募期間あり(年に数回) | 通年で申請可能なものが多い |
このように、補助金は「事業への投資」を支援するもので、助成金は「人に関すること」を支援するものです。目的が違うからこそ、組み合わせが可能なのです。
併用の基本ルール:同じ経費への二重申請はNG
補助金と助成金を組み合わせるうえで、もっとも大切なルールがあります。
「同じ経費に対して、2つ以上の制度からお金をもらうことはできない」ということです。
たとえば、100万円の設備を買う場合、補助金Aで50万円、補助金Bでさらに50万円をもらう——これは認められません。
しかし、別々の経費であれば問題ありません。たとえば、設備投資の費用は補助金で、従業員の研修費用は助成金で、というように使い分ければ、堂々と併用できます。
同じ経費に対して複数の補助金・助成金を申請し、二重にお金を受け取ることは不正受給にあたります。発覚した場合、受給額の全額返還に加え、加算金(いわゆるペナルティ)が課されます。悪質な場合は刑事罰の対象にもなりますので、絶対に避けてください。
使う順番のおすすめ:まず助成金、次に補助金
「どちらを先に申請すればいいの?」と聞かれたら、私たちは「まず助成金から取り組みましょう」とお伝えしています。理由は3つあります。
理由1:助成金は「確実にもらえる」から安心
助成金は、要件を満たせば原則として受け取れます。審査で落とされる心配がほとんどありません。まず確実にもらえるお金を押さえてから、次のステップに進むのが賢い戦略です。
理由2:助成金で「足元を固める」ことができる
助成金の多くは、人材育成や雇用環境の改善に使えます。たとえば、従業員のスキルアップ研修を助成金で実施しておけば、その後に補助金で導入する新しい設備を使いこなせる人材が育ちます。
つまり、助成金で人を育て、補助金で設備を整えるという流れが、もっとも効果的な順番です。
理由3:補助金の申請に「実績」としてアピールできる
補助金の審査では、事業計画の実現可能性が問われます。「すでに助成金を活用して人材育成に取り組んでいます」という実績があれば、計画の信頼性が高まり、採択されやすくなります。
具体的な組み合わせパターン3選
ここからは、中小企業でよく使われる組み合わせパターンを3つご紹介します。
パターン1:キャリアアップ助成金 + ものづくり補助金
こんな会社におすすめ:製造業で、非正規社員を正社員にしつつ、新しい設備も導入したい会社
- 助成金(キャリアアップ助成金):パートや契約社員を正社員に転換すると、1人あたり最大80万円を受給
- 補助金(ものづくり補助金):新しい製造設備の導入費用を最大1,250万円まで補助
助成金で人件費の負担を軽くしながら、補助金で設備投資を行う。「人」と「モノ」の両方に投資できる理想的なパターンです。
パターン2:業務改善助成金 + 省力化投資補助金
こんな会社におすすめ:人手不足に悩んでいて、賃上げと省力化を同時に進めたい会社
- 助成金(業務改善助成金):社内で最も低い時給を引き上げると、設備投資費用の一部(最大600万円)を受給
- 補助金(省力化投資補助金):人手不足を解消する設備(セルフレジ、配膳ロボなど)の導入費用を最大1,500万円まで補助
ポイントは、助成金と補助金で「別々の設備」に使うことです。たとえば、助成金で業務効率化ソフトを導入し、補助金でセルフレジを導入する、というように分けます。
パターン3:小規模持続化補助金 + 地域独自の助成金
こんな会社におすすめ:従業員5人以下の小さな会社で、販路開拓と雇用をどちらも進めたい会社
- 補助金(小規模持続化補助金):チラシ作成、ホームページ制作、展示会出展などの費用を最大250万円まで補助
- 助成金(地域の雇用関連助成金):新規雇用やパート社員の待遇改善に対して、自治体独自の助成金を受給
国の補助金と地域の助成金は管轄が異なるため、併用しやすい組み合わせです。お住まいの市区町村のホームページで、独自の助成制度がないか確認してみましょう。
併用するときの注意点
経費の「按分管理」が必要
複数の制度を併用する場合、どの経費をどの制度で申請したのか、明確に分けて管理する必要があります。
たとえば、1つの設備を補助金で購入し、別の研修費用を助成金で申請する場合、それぞれの領収書や帳簿を分けて保管してください。
この管理が曖昧だと、後日の検査で「二重申請ではないか」と疑われるリスクがあります。
申請スケジュールの調整が大切
補助金には締め切りがあるため、助成金との申請スケジュールを事前にしっかり組み立てておくことが重要です。特に、助成金は申請から受給まで数ヶ月かかることもあるため、余裕を持った計画が必要です。
それぞれの報告義務を忘れずに
補助金も助成金も、受給後に「ちゃんと使いましたよ」という報告が必要です。併用する場合は報告書も2つ作ることになりますので、事務的な負担が増えることは覚悟しておきましょう。
プロに相談すれば、最適な組み合わせが見つかる
「うちの会社に合う組み合わせはどれだろう?」——正直なところ、最適な組み合わせは会社の状況によって異なります。
業種、従業員数、今後の事業計画、資金繰りの状況など、さまざまな要素を考慮して判断する必要があります。
補助金・助成金の専門家に相談すれば、自社に使える制度を漏れなく洗い出し、最も効果的な順番と組み合わせを提案してもらえます。
まとめ
- 補助金と助成金は別々の経費であれば併用OK
- 同じ経費への二重申請は絶対NG(不正受給になる)
- 使う順番は「まず助成金、次に補助金」がおすすめ
- 助成金で人を育て、補助金で設備を整えるのが理想の流れ
- 併用時は経費の按分管理をしっかり行うこと
- 最適な組み合わせは会社ごとに違うので、専門家に相談するのが近道
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