2つの補助金が1つになります
中小企業の設備投資や新しい取り組みを支援する代表的な補助金として、「ものづくり補助金」と「新事業進出補助金」がありました。この2つの制度が、2026年度から「新事業進出・ものづくり補助金」として1つに統合されることが決まりました。
「今まで使っていた制度はなくなるの?」「申請の仕方は変わるの?」と不安に思う方もいるかもしれません。結論から言うと、両方の制度の内容は新しい制度の中にしっかり引き継がれています。
この記事では、統合の背景、新しい制度の中身、そして今から準備すべきことを分かりやすく解説します。
・なぜ2つの補助金が統合されるのか
・新「新事業進出・ものづくり補助金」の3つの申請枠
・補助額・補助率の変更点
・今から準備すべきこと
なぜ統合されるのか?
これまで、ものづくり補助金と新事業進出補助金は別々の制度として運営されてきました。しかし、実際にはこの2つの制度は対象となる取り組みが重なる部分が多く、「どちらに申請すればいいのか分からない」という声が企業側からも専門家側からも上がっていました。
たとえば、「新しい製品を開発して、新しい市場に進出したい」というケースでは、ものづくり補助金でも新事業進出補助金でも申請できる可能性がありました。こうした分かりにくさを解消し、申請する企業にとってよりシンプルで使いやすい制度にすることが、統合の大きな目的です。
新制度の3つの申請枠
統合後の「新事業進出・ものづくり補助金」には、3つの申請枠が設けられます。
1. 革新的新製品・サービス枠(旧ものづくり補助金に相当)
これまでの「ものづくり補助金」の流れを受け継ぐ枠です。革新的な製品やサービスの開発、生産方法の改善などに取り組む企業が対象です。
- 新しい製品・サービスの開発
- 生産プロセスの大幅な改善
- 試作品の開発や新技術の導入
製造業だけでなく、サービス業や小売業など幅広い業種が対象になります。
2. 新事業進出枠(旧新事業進出補助金に相当)
これまでの「新事業進出補助金」(旧事業再構築補助金の後継)の流れを受け継ぐ枠です。新しい分野への進出や、事業の大きな転換を図る企業が対象です。
- 新しい事業分野への進出
- 業態の大幅な転換
- 新市場への参入
「これまでとは違うことに挑戦したい」という企業に向いています。
3. グローバル枠
海外展開を目指す企業を支援する枠です。この枠は統合によって大幅な拡充が行われています。
- 海外市場への販路開拓
- 海外拠点の設立や強化
- 海外向け製品の開発
補助額・補助率の概要
| 申請枠 | 補助上限額 | 補助率 |
|---|---|---|
| 革新的新製品・サービス枠 | 従業員数により750万〜2,500万円 | 中小企業 1/2、小規模事業者 2/3 |
| 新事業進出枠 | 従業員数により2,500万〜7,000万円(賃上げ特例で最大9,000万円) | 中小企業 1/2、小規模事業者 2/3 |
| グローバル枠 | 最大7,000万円(特例で最大9,000万円) | 中小企業 2/3 |
旧ものづくり補助金のグローバル展開型では補助上限が最大3,000万円でしたが、新制度では最大7,000万円(特例で9,000万円)に大幅に引き上げられています。海外展開を考えている企業にとっては、大きなチャンスです。
主な変更点
広告宣伝・販売促進費が対象経費に追加
旧ものづくり補助金では対象にならなかった「広告宣伝費」や「販売促進費」が、新制度では対象経費に含まれるようになりました。
これにより、新しい製品やサービスを開発するだけでなく、それを売るための活動にも補助金が使えるようになります。「作ったけれど売れない」という課題に対して、より実践的な支援が受けられます。
申請枠の整理・明確化
2つの制度がそれぞれ持っていた複数の申請枠が、3つにスッキリ整理されました。自社の取り組みに合う枠が分かりやすくなっています。
制度窓口の一本化
これまで別々だった事務局や申請システムが統合されるため、問い合わせ先や手続きが一本化されます。「どちらの事務局に聞けばいいか分からない」という混乱がなくなります。
旧制度との比較
| 比較項目 | 旧:ものづくり補助金 | 旧:新事業進出補助金 | 新:統合制度 |
|---|---|---|---|
| 制度名 | ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 | 新事業進出補助金 | 新事業進出・ものづくり補助金 |
| 主な対象 | 革新的な製品・サービスの開発 | 新分野への進出・事業転換 | 両方を含む3枠構成 |
| グローバル枠上限 | 最大3,000万円 | なし | 最大7,000万円(特例9,000万円) |
| 広告宣伝費 | 対象外 | 対象 | 対象 |
| 事務局 | 別々 | 別々 | 統合・一本化 |
既存の申請者への影響
「今まさに申請中」「採択されて事業を進めている最中」という方もご安心ください。
・旧制度ですでに採択されている事業は、そのまま旧制度のルールで進められます
・旧制度の最終公募に申請中の方も、旧制度のルールで審査されます
・新しい取り組みを始めたい場合は、新制度での申請を検討しましょう
スケジュール
2026年度の「新事業進出・ものづくり補助金」のスケジュールは、以下のように見込まれています。
- 公募要領の公開:2026年6月頃
- 申請受付開始:2026年8月頃
- 最初の締切:2026年秋頃
正式なスケジュールは公募要領の公開時に発表されます。最新情報は事務局のホームページや、ミライズのコラムでお知らせします。
公募が始まってから準備を始めると、時間が足りなくなることがよくあります。事業計画の骨子や必要な書類は、公募前から準備しておくことをおすすめします。
今から準備すべきこと
1. 自社の取り組みを整理する
「革新的な製品開発なのか」「新しい事業分野への進出なのか」「海外展開なのか」——自社がやりたいことが3つの枠のどれに当てはまるかを整理しましょう。
2. 事業計画の骨子を考えておく
どんな取り組みで、どんな成果を目指すのか。大まかな計画を今のうちから考えておくと、公募開始後にスムーズに申請書を作成できます。
3. 必要な見積もりを取っておく
設備の購入や外注を予定している場合は、早めに見積もりを取っておきましょう。申請書には具体的な金額を記載する必要があります。
4. 専門家に相談する
制度の統合により、申請のルールや審査のポイントが変わる可能性があります。早い段階で専門家に相談しておくことで、的確な準備ができます。
まとめ
- ものづくり補助金と新事業進出補助金が「新事業進出・ものづくり補助金」として統合
- 申請枠は3つ(革新的新製品・サービス枠、新事業進出枠、グローバル枠)に整理
- グローバル枠は最大7,000万円(特例9,000万円)に大幅拡充
- 広告宣伝・販売促進費が新たに対象経費に
- 公募開始は2026年6月頃、申請受付は8月頃の見込み
- 既存の採択案件は旧制度のルールで継続
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